仮面浪人と通常の浪人どっちを選ぶ?両者の比較からわかる仮面浪人に向いている人の特徴について解説
第一志望に合格できず、浪人を検討している方の中には、仮面浪人と普通の浪人どっちがいいか悩まれている方もいるのではないでしょうか。
また自分が仮面浪人に向いているのか気になる方もいるでしょう。
今回は仮面浪人で東大に合格した筆者の経験から、大学に行きながら受験勉強を行う仮面浪人と、予備校に通う通常の浪人の比較について解説します。
仮面浪人と通常の浪人のどっちにするか迷われている方は、是非最後まで読んで参考にしてください。
目次
仮面浪人と浪人どっちがいい?
仮面浪人と浪人、どちらにしようか迷う人は多くいます。
どちらがよいかという点については、それぞれに優れている点があり、一概にどっちを選ぶと良いと言う事は難しいです。
個人の好みだったり、モチベーションによってどちらを選ぶべきか変わってきます。
以下ではそれぞれの優れている点について詳しく解説していきますので、自分がどの点を重視しているのか想像しながら読んでみてください。
通常の浪人が優れている点
まずは、「普通の浪人」から考えていきましょう。
「普通の浪人」とは、予備校などに通う浪人生のことで、受験上最もオーソドックスな浪人の方法です。
通常の浪人が仮面浪人に比べて優れている点にはどんなものがあるのか見ていきたいと思います。
1. 受験勉強に使える時間が長い
予備校に通う浪人の利点として最初に挙げられるのは、受験勉強に使える時間を多く確保することができることです。
通常の浪人生は、高校にも大学にも行く必要がないので、全ての時間を受験勉強に使うことができます。
一方、仮面浪人は大学の授業に時間が取られるため、通常の浪人生に比べて相対的に受験勉強できる時間が短くなってしまうという特徴があります。
また、仮面浪人は通常の浪人生が通うような昼間に開講される既卒生用のコースに通うのは難しいため、塾や予備校なども利用しづらいです。
最近では時間の制約の少ないオンライン個別指導などを行っている塾もありますが、受験勉強だけに集中できるという観点から、受験環境としては通常の浪人生の方が良さそうです。
2. モチベーションを維持しやすい
予備校に通う場合、周りの人も受験生であるため、仮面浪人に比べてモチベーションの維持はしやすいです。
同じ志をもつ仲間とともに苦労を分かち合ったり情報交換したりできることは、精神的にプラスに働きます。
仮面浪人の場合、大学に行きながら受験勉強をするのは時間の制約があり、非常に大変なため、忙しさから仮面浪人を途中で挫折してしまう人もいます。
受験は長期戦であるため、モチベーションを維持しやすいことは重要なポイントです。
3. 費用を抑えやすい
通常の浪人は仮面浪人に比べて、受験勉強にかかる費用を抑えやすい傾向があります。
既卒・高卒の予備校代の相場は
- 入塾代:10万円
- 授業料:70万円
- 季節の講習代:20~40万円
で、総額は約100〜120万円程になります。
一方で大学に通う仮面浪人の場合、所属する大学の学費がかかります。以下に国立、公立、私立の初年度にかかる学費をまとめました。
単位:円
区分 | 授業料 | 入学料 | 設備費 | 合計 |
国立*1 | 535,800 | 282,000 | -*5 | 817,800 |
公立・域内*2,3 | 536,363 | 228,613 | -*5 | 764,976 |
公立・域外*2,3 | 536,363 | 391,305 | -*5 | 927,668 |
私立文系*4 | 815,069 | 225,651 | 148,272 | 1,188,991 |
私立理系*4 | 1,136,074 | 251,029 | 179,159 | 1,566,262 |
私立医歯系*4 | 2,882,894 | 1,076,278 | 931,367 | 4,890,539 |
*2「2021年度学生納付金調査結果」
*3 設置団体の地域を「域内」、それ以外を「域外」で表す。
*4 「令和3年度 私立大学大学院入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
*5 大学・学部によって設備費が必要な場合もあります
初年度にかかる費用は国公立で80~90万程度、医歯系を除く私立では120~150万程度かかります。
さらに必要に応じてPCや教科書を買ったり、塾なども利用することもあるので、大学に通いながら受験勉強をする場合は一定の出費は覚悟する必要があります。
仮面浪人が優れている点
次に、仮面浪人の特徴について見ていきましょう。
毎年、仮面浪人を選んで志望校に合格する人が一定数います。
仮面浪人というやり方が選ばれるのは、そこに一定のメリットがあるからと言えるでしょう。
1. 次年度も大学生でいられる安心感
仮面浪人の場合、例え志望校に落ちてしまっても、次年度以降も現在所属する大学に通うことができます。
通常の浪人生の場合は、次年度も確実に大学生になれるかは分からず、中には不安になり勉強に集中できない人もいるでしょう。
場合によっては、昨年は受かった滑り止めにも落ちてしまう事もあります。
失敗しても大学に通うことができるのはメンタル面の安心材料となり、受験の上でも大きなメリットと言えます。
また、単位をしっかりとれば4年間で卒業できるので、経歴上にも空白期間を作らないで済む場合もあります。
2. 滑り止めを受ける必要がない
既に大学に入学している仮面浪人は、滑り止めの大学を受験する必要がありません。
通常の浪人生や現役生は大抵の場合、複数の滑り止めの試験対策も行うので、直前期の負荷が大きいです。また試験が連日続いたりと体力的にも精神的にもハードになりがちです。
一方仮面浪人は、志望校の受験に集中することができるので、他の受験生に比べて直前期の負荷は小さく、大きなアドバンテージとなります。
3. 大学の授業を受けられる
一般的に大学の授業は受験勉強の時間を削ってしまうため、デメリットと考えられがちです。
しかし、大学の授業を受けることがデメリットしかないと言ったら、そうではありません。
大学で学習する内容は基本的に高校の学習内容と地続きです。初年次の授業は特にその傾向が強く、場合によっては高校の復習から始まります。
また、大学入試で扱われ設問の背景には、大学で扱う知識や、社会課題に対する教養が隠れていることも珍しくありません。
仮面浪人の場合、大学の授業を先取りできる分、他の受験生や浪人生とは違った知識や視点、教養を得ることができます。
より高度な視点から学問に向き合えることは大きなメリットと言えます。
仮面浪人に向いている人は?
ここまで、仮面浪人と通常の浪人を比べて来ましたが、仮面浪人に向いている人はどんな人なのでしょうか。
以下では、仮面浪人に向いている人のいくつかの例を挙げていきます。
あくまで例ですので、当てはまらないからといって仮面浪人に向いていないということではありませんので、ご承知おきください。
1.仮面浪人をやり遂げる覚悟を持てる人
まずは、仮面浪人をやり遂げ、必ず第一志望に合格するという強い意志が必要です。
前述の通り、通常の浪人に比べ優れている点がある仮面浪人ですが、サボりがちになってしまったり、モチベーションの維持が難しいなどのデメリットもあります。
仮面浪人を成功させるには、通常の浪人以上に、強い意思と覚悟が必要となります。
2.受験だけの生活に嫌気が差してしまう人
通常の浪人生は、ほとんどの時間を受験勉強に使える反面、単調に感じてしまい受験勉強が身に入らない人もいます。
仮面浪人の場合、大学の授業や活動から刺激を得られ、より受験勉強にメリハリをつけることができます。
受験勉強だけの生活に嫌気が差してしまう人には通常の浪人に比べ仮面浪人の方が向いていると言えます。
3.自分の弱点を分析し克服する努力ができる人
仮面浪人を成功させるにはこれまでの勉強や習慣を見直し、自分の弱点を分析することが重要となります。
この点を怠り、対策を打たなければ、現役時と同じような結果となってしまいます。
仮面浪人に向いている人は、自分の弱点を特定し、何をすべきか明確にできる人です。
もちろん通常の浪人生にも必要な資質ですが、自分で勉強する時間が長い分、仮面浪人生はより自分の弱点について考える必要があります。
また、苦手な科目や分野が特定できれば、時間の制約がある仮面浪人でも、効率よく勉強が出来るので合格の可能性が高まります。
また、どうしても1人では弱点の克服が難しい場合は、苦手科目だけでも個別指導などを利用して、徹底的に鍛えるのも選択肢の一つです。
仮面浪人をしたけど、去年と同じ科目が足を引っ張って落ちてしまった…なんてことになったら目も当てられません。
逆に自分の弱点を分析し、対策を怠らなければ、合格できる可能性は飛躍的に上げることが出来ます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ここまで、仮面浪人と通常の浪人の比較、仮面浪人について考えてきました。
予備校に通うのか、または仮面浪人をするのか、その判断は非常に難しい選択です。一度冷静になり、様々な人に相談をして慎重に決めましょう。
仮面浪人と通所の浪人のどちらを選ぶか迷っている方は、ぜひこの記事を参考にして自分の道を決めてみてください。
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