東京理科大に仮面浪人で合格するには?対策と仮面浪人にお勧めの受験方式について解説
皆様の中には、仮面浪人で東京理科大合格を目指している方もいるのではないでしょうか。
また仮面浪人で理科大に合格するにはどうしたらいいの?と疑問に思っている方もいるでしょう。
この記事では仮面浪人で第一志望の大学に合格した筆者が、仮面浪人で東京理科大に合格するための戦略について解説します。
仮面浪人で理科大合格を目指している方は、是非最後まで読んで参考にしてください。
東京理科大とは
東京理科大(以下理科大)は早慶上理(早稲田、慶応、上智、理科大)やSMART(上智、明治、青学、立教、理科大)などの大学群でくくられ、日本の私大の中でもレベルの高い大学です。
理系の大学として有名な理科大ですが、実は経営学部が存在します。経営学部の入試では理科や数3を利用せずに受験することも出来るので、文系の方でも受験することが出来ます。
また、日本で唯一の夜間理学部が設置されており、社会人やシニアの方も通っています。
理科大の偏差値
理科大の偏差値は昼間学部では55.0 ~ 62.5となっており、受験者のレベルも高いです。
夜間学部である理学部第二部の偏差値は42.5と、入試難易度は昼間学部に比べて低い設定となっています。
以下は各学部の偏差値です。
学部 | 偏差値 |
理学部第一部 | 57.5 ~ 62.5 |
工学部 | 57.5 ~ 62.5 |
薬学部 | 57.5 ~ 60.0 |
理工学部 | 55.0 ~ 60.0 |
先進工学部 | 57.5 ~ 60.0 |
経営学部 | 57.5 ~ 60.0 |
理学部第二部 | 42.5 |
出典:大学受験パスナビ
理科大の入試方式
理科大の一般選抜の入試には以下の4つの方式があります。
方式 | 試験内容 | 対象学部 |
A方式 | 共通テストの点数のみ | 全学部 |
B方式 | 個別学力試験 | 全学部 |
C方式 | 共通テスト + 個別学力試験 | 昼間学部 |
グローバル方式 | 外部の英語試験・資格 + 個別学力試験 | 昼間学部 |
出典:学部入試一覧
A方式、B方式は全ての学部を対象としていますが、C方式、グローバル方式は昼間学部のみを対象としております。
そのため、夜間学部である理学部第二部を受験したい場合はA方式またはB方式を利用することになります。
グローバル方式では、指定の英語の資格・検定で基準となるスコアを越えていると受験資格を得ることができ、スコアに応じて最大25点の加点がされます。
グローバル方式について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
各方式の試験は基本的には併願可能ですが、一部併願不可の場合がありますので、出願される際は、受験年の要項をよくご確認ください。
理科大の合格最低点と得点率
2021年度入試の理科大のA方式、B方式、C方式、グローバル方式の募集人数の合計は2,739人に対して志願者数は49,301人と、理科大を志望する方は非常に多いです。
実際の合格者数は募集人数よりも多かったり、併願が可能なため倍率としては3倍~5倍に落ちつきますが、人気が高いことには変わりありません。
そのため、仮面浪人で理科大に合格するためには、過去の入試の合格最低点と得点率から、自分がどのような勉強をするべきかを特定する必要があります。
以下では各方式の入試内容と合格最低点について説明したいと思います。
A方式
A方式は合否が共通テストの点数のみで決まります。昼間学部が800点満点、夜間学部は600点満点です。
昼間学部は基本的に国語、英語、数IA、数IIB、理科1科目(200点に換算)の合計点が使われますが、経営学部は理科ではなく社会の点数も使えるので、文系の方でも受験が可能です。
昼間学部の合否ライン得点率は年にもよりますが80%程度です。しかし、80%でも合格が難しい学科もあり、確実に合格を狙う場合は85%程度必要となります。
夜間学部の場合は得点率65% ~ 70%が合否のラインとなります。
以下は2021年度の各学部学科の合格最低点、得点率です。
理学部第一部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
数学科 | 800 | 641 | 80.1% |
物理学科 | 800 | 656 | 82.0% |
化学科 | 800 | 625 | 78.1% |
応用数学科 | 800 | 604 | 75.5% |
応用物理学科 | 800 | 609 | 76.1% |
応用化学科 | 800 | 657 | 82.1% |
工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
建築学科 | 800 | 661 | 82.6% |
工業化学科 | 800 | 613 | 76.6% |
電気工学科 | 800 | 638 | 79.8% |
情報工学科 | 800 | 682 | 85.3% |
機械工学科 | 800 | 646 | 80.8% |
薬学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
薬学科 | 800 | 650 | 81.3% |
生命創薬科学科 | 800 | 641 | 80.1% |
理工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
数学科 | 800 | 592 | 74.0% |
物理学科 | 800 | 626 | 78.3% |
情報科学科 | 800 | 647 | 80.9% |
応用生物科学科 | 800 | 647 | 80.9% |
建築学科 | 800 | 618 | 77.3% |
先端科学科 | 800 | 620 | 77.5% |
電気電子情報工学科 | 800 | 630 | 78.8% |
経営工学科 | 800 | 641 | 80.1% |
機械工学科 | 800 | 642 | 80.3% |
土木工学科 | 800 | 588 | 73.5% |
先進工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
電子システム工学科 | 800 | 654 | 81.8% |
マテリアル創成工学科 | 800 | 618 | 77.3% |
生命システム工学科 | 800 | 669 | 83.6% |
経営学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
経営学科 | 800 | 628 | 78.5% |
ビジネスエコノミクス学科 | 800 | 609 | 76.1% |
国際デザイン経営学科 | 800 | 640 | 80.0% |
理学部第二部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
数学科 | 600 | 408 | 68.0% |
物理学科 | 600 | 387 | 64.5% |
化学科 | 600 | 374 | 62.3% |
出典:過去の入試データ
B方式
B方式は合否を配点の比率が同じ3教科の合計点で決めます。満点は100点 × 3で300点となっています。
一部の学部学科では満点や配点の比率が違うところもありますので、出願の前に必ず要項をご確認下さい。
B方式の合格最低点の得点率は60 ~ 70%程度ですが、人気の高い学科では75%を超えることもあります。
以下は2021年度の各学部学科の合格最低点、得点率です。
理学部第一部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
数学科 | 300 | 185 | 61.7% |
物理学科 | 300 | 187 | 62.3% |
化学科 | 350 | 234 | 66.9% |
応用数学科 | 300 | 183 | 61.0% |
応用物理学科 | 300 | 144 | 48.0% |
応用化学科 | 350 | 181 | 60.3% |
工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
建築学科 | 300 | 197 | 65.7% |
工業化学科 | 300 | 177 | 59.0% |
電気工学科 | 300 | 188 | 62.3% |
情報工学科 | 300 | 211 | 70.3% |
機械工学科 | 300 | 197 | 65.7% |
薬学部
学科 | 満点 | 合格最低点 | 得点率 |
薬学科 | 300 | 175 | 58.3% |
生命創薬科学科 | 300 | 166 | 55.3% |
理工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
数学科 | 400 | 279 | 69.8% |
物理学科 | 300 | 220 | 73.3% |
情報科学科 | 300 | 228 | 76.0% |
応用生物科学科 | 300 | 212 | 70.7% |
建築学科 | 300 | 213 | 71.0% |
先端科学科 | 300 | 196 | 65.3% |
電気電子情報工学科 | 300 | 202 | 67.3% |
経営工学科 | 300 | 221 | 73.7% |
機械工学科 | 300 | 214 | 71.3% |
土木工学科 | 300 | 187 | 62.3% |
先進工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
電子システム工学科 | 300 | 212 | 70.7% |
マテリアル創成工学科 | 300 | 199 | 66.3% |
生命システム工学科 | 300 | 194 | 64.7% |
経営学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
経営学科 | 400 | 299 | 74.8% |
ビジネスエコノミクス学科 | 300 | 221 | 73.7% |
国際デザイン経営学科 | 400 | 307 | 76.8% |
理学部第二部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
数学科 | 300 | 123 | 41.0% |
物理学科 | 300 | 110 | 36.7% |
化学科 | 300 | 101 | 33.7% |
出典:過去の入試データ
C方式
C方式は共通テストの得点と個別学力試験の得点の合計で合否が決まります。
配点は共通テストが英語、国語をそれぞれ100点満点に換算し合計200点、個別学力試験が数学と理科1科目(物理、化学、生物のいずれか)がそれぞれ150点満点で合計300点となっています。
一部の学部学科では、個別学力試験で数学のみの受験も認められています。
C方式の合否ラインは学部学科にもよりますが、共通テストで85%、個別学力試験で70%、トータルで76%が一つの目安となります。ただし情報系など、人気の学科ではさらに高い得点率が求められます。
以下は2021年度の各学部学科の合格最低点、得点率です。
理学部第一部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
数学科 | 500 | 369 | 73.8% |
物理学科 | 500 | 391 | 78.2% |
化学科 | 500 | 371 | 74.2% |
応用数学科 | 500 | 319 | 63.8% |
応用物理学科 | 500 | 360 | 72.0% |
応用化学科 | 500 | 385 | 77.0% |
工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
建築学科 | 500 | 390 | 78.0% |
工業化学科 | 500 | 369 | 73.8% |
電気工学科 | 500 | 383 | 76.6% |
情報工学科 | 500 | 405 | 81.0% |
機械工学科 | 500 | 382 | 76.4% |
薬学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
薬学科 | 500 | 391 | 78.2% |
生命創薬科学科 | 500 | 376 | 75.2% |
理工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
数学科 | 500 | 339 | 67.8% |
物理学科 | 500 | 376 | 75.2% |
情報科学科 | 500 | 401 | 80.2% |
応用生物科学科 | 500 | 361 | 72.2% |
建築学科 | 500 | 358 | 71.6% |
先端科学科 | 500 | 359 | 71.8% |
電気電子情報工学科 | 500 | 373 | 74.6% |
経営工学科 | 500 | 375 | 75.0% |
機械工学科 | 500 | 358 | 71.6% |
土木工学科 | 500 | 352 | 70.4% |
先進工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
電子システム工学科 | 500 | 387 | 77.4% |
マテリアル創成工学科 | 500 | 366 | 73.2% |
生命システム工学科 | 500 | 369 | 73.8% |
経営学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
経営学科 | 500 | 337 | 67.4% |
ビジネスエコノミクス学科 | 500 | 366 | 73.2% |
国際デザイン経営学科 | 500 | 369 | 73.8% |
出典:過去の入試データ
グローバル方式
グローバル方式は指定の英語の資格・検定のスコア+個別学力試験の点数で合否が決まります。グローバル方式を受験するためには指定の英語の資格・検定のスコアが基準点に到達している必要があります。
また、グローバル方式の個別学力試験はC方式と同一日程で同一の問題を利用するため併願は出来ません。
グローバル方式の配点は英語の資格・試験のスコアに応じて最大25点の加点と300点満点の個別学力試験が行われ、グローバル方式全体の満点は325点となっています。
合格ラインの目安は75% ~ 80%と高くなっています。
以下は2021年度の各学部学科の合格最低点、得点率です。
理学部第一部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
数学科 | 325 | 243 | 74.8% |
物理学科 | 325 | 252 | 77.5% |
化学科 | 325 | 246 | 75.7% |
応用数学科 | 325 | 208 | 64.0% |
応用物理学科 | 325 | 233 | 71.7% |
応用化学科 | 325 | 261 | 80.3% |
工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
建築学科 | 325 | 253 | 77.8% |
工業化学科 | 325 | 245 | 75.4% |
電気工学科 | 325 | 229 | 70.5% |
情報工学科 | 325 | 256 | 78.8% |
機械工学科 | 325 | 252 | 77.5% |
薬学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
薬学科 | 325 | 255 | 78.5% |
生命創薬科学科 | 325 | 251 | 77.2% |
理工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
数学科 | 325 | 185 | 56.9% |
物理学科 | 325 | 232 | 71.4% |
情報科学科 | 325 | 250 | 76.9% |
応用生物科学科 | 325 | 228 | 70.2% |
建築学科 | 325 | 227 | 69.8% |
先端科学科 | 325 | 238 | 73.2% |
電気電子情報工学科 | 325 | 209 | 64.3% |
経営工学科 | 325 | 251 | 77.2% |
機械工学科 | 325 | 218 | 67.1% |
土木工学科 | 325 | 244 | 75.1% |
先進工学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
電子システム工学科 | 325 | 238 | 73.2% |
マテリアル創成工学科 | 325 | 244 | 75.1% |
生命システム工学科 | 325 | 232 | 71.4% |
経営学部
学科 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
経営学科 | 325 | 206 | 63.4% |
ビジネスエコノミクス学科 | 325 | 215 | 66.2% |
国際デザイン経営学科 | 325 | 203 | 62.5% |
出典:過去の入試データ
仮面浪人で理科大に合格するには
受ける学科・方式の選定
理科大に合格する上で受験学科、方式の選定は非常に重要になります。
理科大の合格最低点は学科によって大きく異なります。そのため学科選びが受験対策にも影響を与えます。
人気のある学科を受験する場合は、各科目に対してより踏み込んだ対策が必要と言えます。
また受験方式の選定も重要です。
C方式やグローバル方式の合格最低点の得点率はA方式やB方式に比べて高い傾向があります。
理由は2つあります。
1つ目は募集人数の違いです。A方式では650人、B方式では1600人程度募集をしているのに対して、C方式、グローバル方式ではそれぞれ300人、170人程度しか募集しておらず、倍率が高くなりやすいです。
また、C方式、グローバル方式の個別学力試験では、数学と理科の2科目のみであることも合格最低点が高くなる理由の一つです。2科目のみなので対策がしやすく、また、理科大を志望する人には、理系で数学や理科が元々得意な人が多いので理科や数学の試験の得点率は高くなりやすいです。
このように方式によっても合格最低点に若干の差がありますので、方式選びが重要となります。
仮面浪人で共通テスト対策まで手が回らないという方は、B方式での受験がお勧めです。募集人数が多く、3教科に絞って勉強をすればいいので対策もしやすいです。
受験機会が多い程、合格しやすいと考える人もいますが、複数の受験方式を選ぶと必要な対策・科目が増えるので、忙しい仮面浪人の場合は受験方式を絞った方がベターです。
どうしても複数回受験しないと不安という方は、B方式で複数学部・学科の受験を視野に入れるといいでしょう。
理科大は学部ごとに入試日程が違い、複数の学部の受験が可能です。
また、基本的にどの学部学科も受験科目が数学、英語、理科1科目なので、学部毎に違った科目を対策する必要がないからです。
さらにB方式、C方式、グローバル方式の受験であれば、同一試験日で受験科目が同じであれば、2学科まで出願することが可能です。
そのため、一か所は人気な学科に、もう一つは保険としてそれ程合格最低点が高くないところに出願するという戦略もとれます。
理科大の対策
理科大の受験問題は高い計算力や思考力を要する問題が多いです。
また、理科大受験者には早慶や東大・東工大などの国立大学を受ける人も多く、合格最低点は高くなっています。
そのため3科目とはいえ、それなりの対策が必要になります。
まずはどんな科目でも基本的な問題であれば確実に解けるようにしましょう。
例えば合格ラインが70%だったときに、理科で70%、得意の数学で80%でも苦手な英語で50%しか取れなければ、合計の得点率はは66.7%と合格には届きません。
従ってどんな科目でも基本問題を落とさないようにすることが重要です。苦手科目がある場合は早めに対策をしましょう。
また、確実に合格を狙う場合は得意科目のレベルアップも必要です。前述の通り、理科大の受験者は理科や数学の腕に自信があり、中には早慶や東大の併願として受けている人もいます。そのため、得意科目の対策も欠かせません。
難しめの問題を扱った参考書や演習書、早慶や国立の過去問を利用して穴のない対策を心掛けましょう。
苦手科目への対策に自信がなかったり、得意科目のブラッシュアップをしたい場合は、個別指導塾を利用するのもアリです。
個別指導であれば、自分の理解に合った指導を受けられるので、効率よく受験対策をすることが出来ます。また最近ではオンラインでの受講できる塾も増えてきたので、忙しい仮面浪人生や、様々な理由で予備校に通いづらい人でも利用しやすい環境となっています。
仮面浪人専門塾リバシではオンラインでの個別指導に加え、大学生活と受験勉強を両立するためのメンタリングも実施していますので、仮面浪人で理科大合格を目指す人は利用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。
仮面浪人で理科大に合格するための戦略について解説しました。
理科大はレベルの高い大学ですが、適切な対策をすれば仮面浪人でも合格を狙えます。
理科大合格を目指している方はこの記事を参考に頑張ってください!
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