仮面浪人で九州大学合格は可能?仮面浪人で九大に合格するための2つのステップについて解説

仮面浪人で第一志望の合格を目指して、大学に入学してからも受験勉強を頑張っている方もいると思います。

そのような方の中には、九州大学への進学を希望している方もいるでしょう。

この記事では、仮面浪人で東大に合格した筆者が、仮面浪人で九大に合格するためのポイントを徹底的に解説します。

仮面浪人で九大合格を目指している方は、是非最後まで読んで参考にしてください。

仮面浪人で九州大学に合格することは不可能なのか

仮面浪人で九大を目指すにあたり気になるのは、仮面浪人で九州大学に合格することは可能なのかどうかです。

結論から申し上げますと、仮面浪人で九州大学に合格することは可能です!

九州大学に限らず東大や京大など、仮面浪人で難関大学に合格した例は数多くあり、九大に仮面浪人で合格するのも決して不可能ではありません。

ただし時間の制約のある仮面浪人が九大に合格するには適切な対策が必要となります。

以下では仮面浪人が九州大学に合格するために必要な対策について詳しく解説したいと思います。

九州大学のデータ

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

は有名な格言ですが、入試にもこの言葉は当てはまります。

つまり入試の突破にも、希望大学の入試への理解や、自分の現状の把握が重要となるという事です。

以下では九大入試への理解のために、九大のデータについて解説します。

偏差値

まず、九州大学を知るにあたって気になるのはその偏差値です。

九州大学の偏差値は52.5 ~ 67.5と、地方国立大学の中でも高く、受験の難易度は決して低くはありません

各学部の偏差値は次のとおりです。

学部偏差値
共創学部60.0
文学部57.5
教育学部60.0
法学部60.0
経済学部57.5 ~ 60.0
理学部55.0 ~ 65.0
医学部52.5 ~ 67.5
歯学部57.5
薬学部60.0 ~ 67.5
工学部55.0 ~ 62.5
芸術工学部55.0 ~ 60.0
農学部55.0

出典:大学受験パスナビ

配点と合格最低点

次に九大の入試配点と合格最低点を見ていきましょう。

九大の入試は前期日程では共通テストの比率が33.3% ~ 42.9%で、合格最低点の得点率がおよそ55.0% ~ 65.0%程度となっています。

2次試験は学部学科ごとに指定された科目・配点の学力試験を基本としていますが、医学部医学科、生命化学科や歯学部では、学力試験に加えて面接も行われます。

また後期日程では、配点に対する共通テストの比率が高く、共通テストの配点が全体の2/3を占める学部学科もあります。

そのため九州大学の後期日程を受ける場合は、共通テストの得点が非常に重要になります。

以下は各学部学科の試験の配点と合格最低点(令和3年度)です。

共創学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
共創前期500 / 100033.3%989.00 / 1500(65.9%)

文学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
前期250 / 50033.3%464.25 / 750(61.9%)
後期275/ 25052.4%382.50 / 525(72.8%)

教育学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
教育前期450 / 60042.9%701.00 / 1050(66.8%)

法学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
前期300 / 60033.3%547.50 / 900(60.8%)
後期400 / 20066.7%504.20 / 680(73.9%)

経済学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
経済・経営前期450 / 60042.9%695.75 / 1050(66.3%)
経済工前期450/ 75037.5%624.75 / 1200(52.1%)
経済・経営後期200 / 30042.9%375.50 / 500(75.1%)
経済工後期280 / 30048.3%351.10 / 500(70.2%)

理学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
物理前期450 / 70039.1%658.00 / 1150(57.2%)
化学前期450 / 70039.1%660.00 / 1150(57.4%)
地球惑星科学前期450 / 70039.1%647.50 / 1150(56.3%)
数学前期450 / 70039.1%684.50 /1150(59.5%)
生物前期450 / 70039.1%650.50 / 1150(56.6%)
物理後期400 / 10080.0%非開示
化学後期700 / 60053.8%非開示
生物後期300 / 10075.0%非開示
地球惑星科学後期300 / 10075.0%非開示

医学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
前期450 / 70039.1%824.00 / 1150(71.7%)
生命科学前期450 / 80036.0%754.50 / 1250(60.4%)
保健(看護学)前期450 / 40052.9%520.50 / 850(61.2%)
保健(放射線技術科学)前期450 / 70039.1%606.00 / 1150(52.7%)
保健(検査技術科学)前期450 / 70039.1%582.50 / 1150(50.7%)

歯学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
前期450 / 70039.1%633.50 / 1150(55.1%)

薬学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
創薬科前期450 / 70039.1%676.00 / 1150(58.9%)
臨床薬前期450 / 70039.1%760.50 / 1150(66.1%)
創薬科後期500 / 25066.7%非開示
臨床薬後期500 / 25066.7%非開示

工学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
Ⅰ群前期450 / 70039.1%695.00 / 1150(60.4%)
Ⅱ群前期450 / 70039.1%655.50 / 1150(57.0%)
Ⅲ群前期450 / 70039.1%658.00 / 1150(57.2%)
Ⅳ群前期450 / 70039.1%646.00 / 1150(56.2%)
Ⅴ群前期450 / 70039.1%682.50 / 1150(59.3%)
Ⅵ群前期450 / 70039.1%658.50 / 1150(57.3%)
Ⅰ群後期450 / 25064.3%531.50 / 700(75.9%)
Ⅱ群後期450 / 25064.3%470.00/ 700(67.1%)
Ⅲ群後期450 / 25064.3%516.00 / 700(73.7%)
Ⅳ群後期450 / 25064.3%439.50 / 700(62.9%)
Ⅵ群後期450 / 25064.3%514.50 / 700(73.5%)

芸術工学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
環境設計前期500 / 75040.0%684.25 / 1250(54.7%)
インダストリアルデザイン前期500 / 75040.0%674.50/ 1250(53.4%)
未来構想デザイン前期500 / 75040.0%651.00 / 1250(52.1%)
メディアデザイン前期500 / 75040.0%747.75 / 1250(59.8%)
音響設計前期500 / 75040.0%748.50 / 1250(59.9%)
学科一括前期500 / 75040.0%718.50 / 1250(57.5%)

農学部

学科日程配点(共テ / 2次)共テ比率最低点 / 満点(得点率)
前期450 / 75037.5%656.75 / 1200(54.7%)
後期500 / 30062.5%631.50 / 800(78.9%)

出典1:令和4(2022)年度九州大学 一般選抜 学生募集要項

出典2:令和3年度入学試験合格者の最高・最低・平均点等一覧

仮面浪人で九大に合格するには?

仮面浪人で九大を目指す場合、多くの人は前期試験での合格を狙うと思います。

以下では、仮面浪人で九州大学の前期試験に合格するポイントについて、上記の九大のデータを踏まえて解説したいと思います。

配点と合格最低点から必要なステップを逆算

時間のない仮面浪人が九大合格を狙う場合、配点と合格最低点から、必要なステップを逆算し効率よく勉強する必要があります。

前述の通り、九大入試の前期日程では、共通テストの比率が33.3% ~ 42.9%で、合格最低点の得点率がおよそ55.0% ~ 65.0%程度となっています。

共通テストの比率が33.3% ~ 42.9%なので、共通テストで80%、2次試験で60%をとれば、総合得点は66%を越え、合格を狙うことが出来ます。

従って九大合格には、まず1つ目のステップとして共通テストで80%の取得、次に2つ目のステップとして2次試験での60%の取得をクリアする必要があります。

次に各ステップのクリアにはどのような勉強が必要なのか、詳しく見ていきたいと思います。

ステップ1:共通テスト

まず最初のステップである共通テストについて見ていきましょう。

共通テスト80%取得の鍵は、苦手科目の克服にあります。

共通テスト試験で50% ~ 60%程度しか取れない科目がある場合、総合得点で80%を狙うのはかなり大変になります。

したがって共通テストで総合得点率80%を目指す場合、苦手な科目でも少なくとも70%以上は取りたいところです。

共通テストでは、どんな科目でも基礎を固めて過去問を解けば、得点率70%以上は十分に狙えます。

仮面浪人の場合は時間の制約もあることから、苦手科目から重点的に対策することで、効率的な勉強にもつなげることが出来ます。

また、共通テストで総合得点率80%を安定的に取るには得意科目をブラッシュアップすることも必要です。

多くの分野では問題の出題パターンがある程度決まっています。様々なパターンに慣れるために過去問を多めに解いたり、摸試等を利用してパターンに慣れていきましょう。

さらに、仮面浪人は大学の講義や課題で忙しいため、共通テスト直前の12月ごろから過去問演習を始めると、十分な演習量を確保できない可能性があります

そのため、なるべく11月までには過去問演習を始められるように準備をしましょう。

仮面浪人の共通テスト対策についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、気になる方は是非ご覧下さい。

仮面浪人で共通テストの得点を伸ばすには?目標得点別の各科目の得点パターンと勉強法についても解説

現役時は第一志望に合格できず、仮面浪人で逆転合格を狙う方もいると思います。 仮面浪人をする方の中には、共通テストを受験予定の方もいるでしょう。 共通テストの得点…

ステップ2:2次試験

九州大学の前期日程の2次試験で総合得点率60%を目指す場合も、苦手科目への対策が重要になります。

例えば、法学部では2次試験で国語・数学・外国語の試験をそれぞれ同じ配点で受けることになりますが、国語で60%、得意な英語で70%をとっても、苦手な数学が40%しか取れなければ、全体では56.7%となり、60%には届きません。

他の学部学科でも、配点は異なるものの、一つの苦手科目が致命的なダメージとなり得るため、苦手科目がある場合は対策が必要となります。

特に、得点率が50%に満たない科目がある場合は早急に対策が必要です。

九大の2次試験の問題は、標準的な入試問題が多く、高度な思考力や計算力、知識を必要とする難問は少ないです。

そのため、基礎的な学力をどれだけ身につけられているかで合否が決まるでしょう。

苦手科目の勉強をするときは基礎を固めることを意識し、難問や奇問を扱っているハイレベルな参考書ではなく、標準的な問題を扱っている演習書や参考書を利用しましょう。

また、赤本などを利用して九州大学の入試形式への対応もしっかり行いましょう。大手予備校では九大形式の模試も開催していますので、腕試しもかねて受けてみてはいかがでしょうか

塾や予備校は必須ではない

大学の授業や課題もこなし、なおかつ受験勉強をする仮面浪人生はとても忙しく、九大合格のために時間をかけて塾や予備校に通う必要があるのか気になっている方もいると思います。

上述の通り、九州大学の前期日程試験は、基礎的な学力が重要となるため、各科目の基礎を固め過去問演習を繰り返せば、自学自習の範囲で十分合格が狙えます

そのため、九大合格に塾や予備校は必須ではありません

もちろん、塾や予備校を利用することで受験勉強の効率が上がり、自分だけで勉強するよりも合格の可能性を上げることができます。

しかし、「なんとなく必要そうだから」と目的意識をもたずに塾や予備校を利用することはお勧めできません。

時間とお金が無駄になりがちで、受験勉強の効率を下げてしまう可能性があるからです。

もし、九州大学の合格のために塾や予備校を利用したい場合は「目的」を明確にし、それに合った塾を選ぶと良いでしょう。

例えば「苦手科目を克服したい」という場合は、自分の理解に合わせて授業を受けられる個別指導がお勧めです。忙しい仮面浪人の場合は、移動の手間がないオンライン形式の個別指導が良いでしょう。

また「大学生活と受験勉強を両立したい」という場合は、仮面浪人を専門とする塾がお勧めです。

仮面浪人専門の塾では、大学生活と受験勉強が両立できるように、履修の組み方やスケジュールを指導してくれるところもあり、仮面浪人に特化した指導が受けられるので、目的意識があれば、利用する価値があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

仮面浪人で九州大学に合格するためのポイントを解説してきました。

九大は難関国立大学の一つですが、基礎を固めれば仮面浪人で合格することも可能です。

仮面浪人の生活はハードですが、合格への決意を強く持って合格を勝ち取りましょう!

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